project:F 第九話



今回の釣り大会は、3つのゾーンに分かれる。

一つ目は、レイフ担当本命釣り大会ゾーン。

「…ルールの説明を行います――」

司会をまかされているレイフはガチガチだった。
テレビは良い。
直接視聴者が見えないから。
だが、ステージ上でたくさんの人に見られるのは、やはり緊張するもので。
大会で優勝した時のインタビューとかならまだしも、司会だなんてとてもそんな。
ティートの用意した原稿をそのまま棒読みしているだけの状態だ。

集まった人数は予想を少し上回るものだった。
今回が成功すれば、定期的な開催をした場合に常連の確保も難しくはないだろう。
その面構えは玄人なものから素人なものまで千差万別で、ネットや広告での宣伝活動に大幅な予算をつぎ込んだ成果が現れている。

「――基本的なルールは、以上です。細かいものについては冊子を見てください」

…訂正。
原稿すら読めていない。
『細かいものにつきましては配布した冊子の方をご覧ください』だ。
早く終わりたくてたまらないらしい。

大会での主催者の演説等は、はっきりいって必要ない。
終業式の校長先生の話が大抵無駄なのと変わらない。
ルールも、口頭で念を押さなければならない程度のものだけで良い。
後に文句を言われないために、一応配っておけば手間も省ける。

大きく息を吸ってから、レイフは口を開く。
ここから先は、原稿にない。

「釣りは、自然の恵みを受けること。それを忘れないで、感謝して頑張ってください」

ちょうどブザーが鳴った。
午前九時、大会の幕開けだ。

レイフが出した答えは、テリーをどうにか頷かせられるものだった。



二つ目は一際華やかで、且つまとまりのないゾーン。

「えーと、あの、それじゃ始めるので、解散してください」

『担当者、シン』のお見合いゾーンだった。

午前中は広場及びその周辺での立食パーティー。
提供はカフェ・キャラウェイと止まり木の宿。
自己紹介等はほぼ行っていないに等しいが、やたらとピンクやら赤やらできらきらしている、シン構想ケティ横やりティート編集な冊子に顔写真入りの基本データが入っている。
ちなみに冊子はデジタル版もあり、あらかじめパスワード製の花の芽村サイトで配布されていたものをダウンロードして持ってきている人も多い。
世はハイテクの時代であった。

午後は村中どこでも行って良しとし、釣り大会も兼ねる。
ケティ曰く、「大物を釣り上げる彼に一目ぼれ☆」なんてのを狙っていたり。
まあ、こちらのゾーンは釣りが主ではないので、魚釣りをしなくても問題ない。



三つ目は、子供連れやカップルの多いゾーン。
ティート担当の、花の芽村観光を主とするメンバーだ。
裏の大本命だったりする。

基本的にティートの案内のもと観光を行う団体と、これまた配布している冊子を見つつ各自観光する人達とに分かれる。
カザン担当の「鉱石発掘ツアー」、バジル担当の「自然満喫ツアー」等もあり。
各店は、午前中は自らの店で、夕暮れ時には広場に集合し出張販売をする予定だった。
青空牧場では「ふれあいコーナー」、春いろ農場では「押し花製作コーナー」も行われている。

がらくた屋での「鉱石加工体験コーナー」は中止となっていた。
理由は推して悟るべし。



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察してください(笑



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