|
村民への現状報告を一通り終えた。 さて、残る一人はどんな反応をするだろう。 「リオン!」 村の隅の方、川の上流にお目当ての人物はいた。 ――いや、人間ではないらしいが。 ティートが微笑みながらやって来ても、リオンの表情は変わらない。 ちらりと見た後、釣り糸に視線を戻した。 「あのさ、俺ら今度村おこしをやることになったんだ」 応える様子もないリオンを気にする風もなく、隣の石に腰掛けた。 「でさ、お前が前に住んでたところってどんなところなんだ?参考にしたいんだけど」 にこにこにっこり。 愛想のない態度に反発することもなく、楽しそうに接する人間は少ない。 「前に住んでいたところ?…はっ!お前に協力する義務などない」 リオンはティートが苦手だった。 その微笑みは、「純粋な好意ではない」というわけではないけれど。 例えば、そこにいるだけで、自然と人が集まってくる。 面白そうに話してる。 人を楽しませている。 けれど、決して中心にはならなくて。 一歩引いて、どこか冷静に観察していて。 笑ってるのに、暖かいのに。 ふと問いたくなる。 『おまえ、楽しいか?』 他人に対してこんなことを思うなんて、自分が自分ではないようだ。 リオンはティートが苦手だった。 「義務はなくとも権利はあるだろ?その権利を行使して欲しいんだけどなー」 一方ティートは、リオンを比較的気にいっている。 打てば鳴る太鼓のように、天邪鬼な人というのは逆に性格が読みやすい。 とてもとても、『いじりがいのある』種の人だった。 「どういう理由でボクが人間に協力しなければならないんだ。大体人間のせいであいつは――」 ほーら、これだから。 「そのセリフ、もう聞き飽きたよ」 セリフそのものには飽きても、その態度は何度見ても飽きない。 リオンには人を飽きさせないなにかがあって、そこが非常に興味深い。 「あのさ、リオン。お前この村のこと好きだろう?」 人を言いくるめるのは好きだ。 なんとなく賢い人になったような気分で、意味もなく勝者の気持ちを味わえる。 「はあ!?馬鹿を言うな!」 感情的になっては言い合いに勝てない。 大局を見渡さなければいけないだろう。 それを知っているのか知らないのか。 そこのところは分からないけれど、自分の挑発に簡単に乗ってしまうこの人はやはり興味深い。 最初から気になってはいたのだ。 こんなにも一人のことを想えるなんて、素晴らしいことじゃないか。 だがそれならどうして音色を集めようとしないのだろう。 一途だけど捻くれてて、本音を語れないくせに表面にはもろに現れてる、感情を隠せないこの人。 自分自身とは正反対で、気になって仕方がない。 「女神様が石になったのは、この村が好きだからだろう?だったらお前がこの村を嫌いなはずないじゃないか」 『もしも村が嫌いなら、村民が思いやりの心を失くしてしまったことなど、女神様はきっと気にも留めない。女神様の大好きな村を、女神様を大好きなお前が、嫌いなはずないだろう?』 全てを語らずとも、悟ってくれるだろう。 「大体、嫌いなら村に住まないよな。泉に、女神様の傍にいるよな」 最後に駄目押し。 愛しい愛しい存在の傍らにいたいと思うのが自然の摂理。 リオンはなにか反抗したくてたまらない様子だが、良い言葉が思い浮かばないようで。 「また聞きに来るから、何か考えといてくれな!」 去って行く後姿を見つめることしか出来なかった。 小さく舌打ちをして、再び釣り糸に視線を戻した。 リオンと結婚したかった。 |
[★高収入が可能!WEBデザインのプロになってみない?!
自宅で仕事がしたい人必見!
]
[ CGIレンタルサービス | 100MBの無料HPスペース | 検索エンジン登録代行サービス ]
[ 初心者でも安心なレンタルサーバー。50MBで250円から。CGI・SSI・PHPが使えます。
]
| FC2 | キャッシング 花 |
出会い 無料アクセス解析 |
|